コンコルドの残したものとは?

画像提供:   斉藤 隆夫 氏     2023.01.29

仙台の斉藤さんからの投稿です。
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パリよりドゴール空港へ行く途中にル・ブルジェ空港があります。かつてリンドバーグが大西洋横断を成し遂げた時に着陸した空港です。この空港に隣接してル・ブルジェ航空宇宙博物館があり、第一次大戦から第二次大戦を経て戦後のジェツト戦闘機に至るまで数多くの戦闘機が展示されています。


この博物館の中に2機のコンコルドが向かい合った形で展示されています。
二十世紀後半に開発費4千億円が投じられた超音速旅客機ですが製造された機数は20機にも満たなかったはずです。
私が高校時代ではなかったかと思いますが超音速時代の幕開けとマスコミで大きく取り上げられたのが思い出されました。
優雅な流線形の表面が磨き抜かれたような機体ですが、操縦席を見るとアナログ計器がずらりと並び、年代物との印象を受けます。 機内は狭く座席数は百席で、二人並びの椅子もかなり窮屈な印象を受けます。


オゾン層の破壊、騒音問題、衝撃波による爆発音などの飛行によって生じる様々な問題により、各国の航空会社から敬遠されて大量受注できず、開発した英仏のみで運行せざるを得なくなり、さらに両国とも面子にこだわり過ぎてそのまま運行させても商業ベースで成り立たないと素人目にもわかっていながら、投資分を惜しみ、飛ばし続けて大きな損失をさらに広げてしまう結果になってしまいました。
サンクコストの呪縛と言われる状態ですね。コンコルド効果とも言われています。似た様な例は我々の周囲にもあるのではないでしょうか?展示されているコンコルドの内一機はプロトタイプらしく先端の窓の形が違っていました。一部のフランス人は過去の栄光をと望んだのでしょうが博物館のコンコルドを整備してもう一度飛ばそうと考えたようですが操縦する人も引退する年代になって来ており、計器類もデジタル化され、現代のパイロットでは手に負えなくなり計画は実現しなかった様です。


余談ですが展示されている機体はさまざまな分野に分かれており、これで本当に飛行できたのかと思われるような飛行機が数多く展示されています。


話の種に写真を出しておきます。第2次世界大戦時のプロペラ機からジェット機、ヘリコプターまで多種多様です。




入り口

















コンコルド















展示




























おまけ


おまけを頂きました。以下斉藤さんのコメント

パリの自然史博物館の玄関に飾られていました。奢る事勿れの戒めでしょうか? 日本では考えられない展示物ですね。





自然史博物館をもっと!!(投稿「パリ自然史博物館」に続く)





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